今回の記事では、
『縦の共鳴のやり方と感情表現』
を、ボイストレーニングの動画付きで載せていきたいと思います。
皆様の、歌の上達に少しでも力になれたら幸いです。
それでは、実際にミックスボイスを扱うために共鳴のやり方のお話からさせていただけたらと思います。
共鳴を知ることとトレーニングは必要か?
歌を歌う上では、様々な音程や表現が必要です。その表現を表すにもこの共鳴のトレーニングは必要です。
例えば、薄っぺらい感情の乗らない歌。
棒読みになってしまうセリフ。
普段の会話でも喜怒哀楽が伝わりづらい。などなど
これ、発声方法の『共鳴の移動』がうまくできていないと陥るところです。
『歌は、話すように歌うこと。』これがとても大切です。
もちろん、歌い方のテクニックの面や、その人の精神状態も大きく関わります。
ですが、日本語は、その対象を示すのに、音がある程度決まっている言葉なので、音程を当てるだけでは感情表現をつけることができません。
感情を込めていても、ただ、自分の中でだけで納得しているだけで伝わらないことも多くあります。
この共鳴のテクニックと使い方を覚えることで、人にどのように感情を伝えるか、何をどうすればいいかを頭で理解することができます。
人が行動を取得するまでには
認知(経験)→予測→反応→体現
という順番が必要不可欠です。
(そこから、考えて行動→習慣化→無意識での利用ができるようになるのですが、その話はまた別の機会に)
もちろん、こんなこと考えなくても、人と多く関わっている人は、感情表現が上手な方もいらっしゃいます。
それは、経験をして、予測を立てて反応することが癖になっているから自然にできるのです。
なので、感情表現が難しいと思っている方は特に、この記事を力に変えていただけたらと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、実際に、上から共鳴腔の初期のコントロールとトレーニングの仕方をご説明いたします。
共鳴腔の初期のコントロールとトレーニングの仕方
ここで紹介するトレーニングは、無理をしたり、基本の発声がうまく機能していないと喉を痛める危険性がありますので、大きな声で行ったり、喉に違和感を感じる場合は中止してください。
鼻腔(上の共鳴)
ここは、高音部などで用いる、ハミング(鼻歌のような発声)で響く場所です。
声帯のコントロールがうまくいっていないと出せない方もいらっしゃいます。
初期の練習方法としては、ハミングで自分の出せる音程ぎりぎりの高音と、低音をそれぞれ発声練習します。
こちらは動画を見ていただけるといいと思いますが
『ド、ミ、ソ、ド、ド、ド、ド、ソ、ミ、ド』
の発声を半音ずつあげていき練習していきます。
特に高音部は、『ん”ー』と喉を力ませて発声したり、精一杯息を吸おうとして胸式に戻ってしまわないように気をつけてください。
大きな声の響きを体感したい方は、高い音程でハミングから『ンーウー』と発声してみると響くのがよくわかると思います。
口腔(中の共鳴)
ここは中音部で使う、口の中に響かせる場所です。
ここの発声が、声を前に飛ばす練習の要にもなります。
初期の練習方法としては、ペットボトルをご用意いただいて、それを口にくわえます。
そして、『ウー』と発声し、ペットボトルの底が響くようになったら正解です。
自分が出せる、中音域を半音ずつあげて、響きが出せるようにすると良いです。
さらに、飲み込むようにしてペットボトルを奥まで咥えて発声することで、発声にいい、舌(舌根)を下げた発声を身につかせることもできます。
(低音部や高音部になると響きにくくなるのですが、そこが換声点といって共鳴の場所を切り替える場所です。が、こちらはまた別の記事でご紹介します。)
咽頭腔(下の共鳴)
ここは、低音部で使う、胸に響かせるような場所です。
ここの発声が、発声全体の声を太くする練習にもなります。
鼻に響かせるハミングから、音を下げていき、喉の奥に響かせます。
そこから、『ンーゴー』と発声すると、胸に響くような音が出たら正解です。
この時、喉を詰めてしまったり、肩に力が入るとうまく発声できないので注意が必要です。
女性の方は、少し苦手かもしれません。
そこに響かせることができたら、そのまま、『ゴ』で発声練習をして高音部まで行く練習をすると、声帯が太いまま高音部を発声する練習もすることができるようになります。
それぞれの感情表現について
- 鼻腔は、明るいイメージや元気さ、子供っぽさを出すのに使います。
- 口腔は、普通のフラットな感情や説明、距離感を出すことに使います。
- 咽頭腔は、重さや暗さ、大人っぽさや落ち着きを出すのに使います。
それぞれ、明るく喋ったものと暗く喋ったものなど、動画でご紹介していますので、そちらも参照していただけたらと思います。
ぜひ、共鳴を使った発声法と感情表現をマスターして、人生楽しみましょう!(笑)
今回は、縦の共鳴のやり方をご説明いたしました。
次回は、前後の共鳴のお話をさせていただこうと思います。
お付き合いいただきありがとうございました☆